# 3つの目標
# 時間はあんなにあったのに…
# 追い込まれての準備
# 膨大な枚数の原稿
# ゾーンに入る
# 悪い癖
# お役にたてる
# 手渡したバトン
皆さんこんにちは。
今年は例年より、陽気が良く、早くも春を感じるようになってきましたね。
南部近郊の山々では梅の花がキレイに咲き誇っています。
さて、今回のブログは私の話になります。
先日2月15日に、私が卒業した松下幸之助商学院へ行ってきた時の話です。
少し、私の人生の1ページをご紹介します。
20歳で商学院へ入塾し、翌年、21歳の時に今の仕事に就きました。
人生の荒波にもまれ、とてつもない挫折感にさいなまれ、
32歳で一度でんき屋を辞めて、力強い運命で37歳の時に復帰しました。
復帰時、自分自身に喝を入れる為、仕事を通じて目標を3つ決めました。
①パナソニック、メーカーさんに意見が言える立場になる
②同じ業界の方々に影響を与えられる人になる
③商学院で先輩講話をする
こんな目標を立てました。
幸いにも38歳から和歌山県の業界組織の代表になり、
その後、さらにランクが上のパナソニックショップ会・連合会長を6年間拝命しました。
2つの役職のお陰で、メーカー幹部の多くの方々と広く面識を持つことが出来、
また、意見も言えるようになりました。
最終的には2018年、現パナソニック会長の津賀さんの社長時代に
直接、懇談をすることも出来ました。
自分では1つ目の目標はこれでクリア出来たと思っています。
さらに前回のブログにもアップしましたが、達人会という会を発足し、
今や23年目を迎えています。
少なからずとも、多くの同業者の方に影響は与えたと自負しています。
これで2つ目もクリア。
そして最後の難関、3つ目の目標がなかなか達成できずにいました。
昨年の秋、松下幸之助商学院の学院長から連絡があり、
卒業前の2月、本科生に対して「先輩講話」をして欲しいという依頼が来ました。
おかげで念願だった3つ目の目標が達成できることになりました。
連絡を頂いた後、18歳から25歳までの若い本科生にどんな話をしようかとても悩みましたが、
数ヶ月後という時間の余裕もあり、少しのんびり構えていました。
しかし、とてもありがたいことに連絡を頂いた直後から、
とてつもなく忙しい期間が年明けまで続き、あれだけ時間に余裕があったのに、
気づけばあと10日というところまで迫ってきました。
過去にセミナー講師として全国で1~2時間の話をした経験は300回以上ありますが、
なにぶん久しぶりな事もあるし、相手は18歳位から20数歳の若い方々で、
しかもこの春に社会人になる新人さんばかりが相手になります。
また、私は過去に商学院で先輩講話をされた方々のように
大きな成功を収めた訳もないので、サクセスストーリー(成功事例)も持ち合わせていません。
時間もない中で自分なりに考えたのが、自分自身のこれまでで何度かの失敗や挫折を経験し、
2度の分岐点・ターニングポイントを潜り抜けこれまでに至る、
「失敗を通じて学んだこと」をベースに、新社会人になる彼らにメッセージとして
いくつかの話をすることにしました。
事前のヒヤリングでは、商学院の先生がおっしゃるには、
今どきの若い生徒は「平気で授業中に寝る」こともあり、3人ほどマークした方が良い生徒もいるとも聞いてました。
当日までの期間、昼は普通に仕事をし、夜になると事務所のデスクで原稿作りに励みました。
実質、1時間40分前後の講話になるだけのボリュームと、
生徒達をグッと引き寄せるクオリティーも必要と思うと、
何度も何度も書き直ししては練習の繰り返しの連続でした。
結局、形として仕上がったのはパワーポイント用のシートが10枚、
原稿はなんと57枚にもなる超大作になりました。
そして完成したのは13日の深夜。
14日には滋賀県に移動もあるので、通しの練習が出来る時間もそうそうありませんでした。
そしていよいよ15日の本番を迎え、商学院の大教室で講話となりました。
54期生の本科生が12名、商学院の社長、学院長、職員の方々が約10数名、
その状況で幕は切って落とされました。
久しぶりの立ち位置でしたが緊張は全く感じませんでした。
また、教室が良いのかとても喋りやすく、聴講者の顔や反応が手に取るように分かりました。
過去の経験からこういう時は「ゾーン」に自分が入り、絶好調になります。
昔から自分の悪い癖なのですが「せっかく作った原稿」はいつもほとんど見ることはありません。
そうなると話の組み立てが変わったり、アドリブが効きすぎてつい時間の超過をしてしまうのです。
やはり今回もその癖が出て、結局、1時間55分も喋ってしまいました。(-_-;)
そして講話も終わり、質問タイムに入り、一人の本科生から質問を受けました。
彼は質問をする前に
今日まで、商学院で沢山の講話を聴きましたが今日のお話がとても興味深く、
生まれて初めて真剣に何ページもメモをしてしまいました。
と話してくれました。
するとほかの生徒達も「僕も、これだけメモした」とノートを見せてくれました。
また、社長と学院長も終了後、
本科生だけでなく私たちも沢山の事をメモをしました。
現場、実践で経験されている話がとても新鮮で勉強になりました。
とお話頂けました。
そして学院長からは…
中松さん、私が在職中は必ず、2月の卒業前の先輩講話をお願いします。
と来年以降の予約もいただくことになりました。
そして、2日後の2月17日、速達で一つの荷物が届きました。
発送先は商学院。中には講話のDVDと本科生全員の感想文が入っていました。
ジックリと目を通すとそこには一人一人が自分が一番強く感じた内容について
感想を書いてくれていました。
それを読み終えると目標を達成し、しかも大きな充実感を感じることが出来、
来年には「ここと…あそこをこう修正して…」なんてことが頭の中で駆け巡っていました。
人生の中で何度かの失敗をしたこんな私でも、人の役に立てることが出来たのです。
この後、春に社会人として第一歩を踏み出す12名の彼らがこの先、
迷い、躓き、もがきながらでも
自分の人生を豊かで楽しんで貰えたらと思いました。
若い方々へ、私からメッセージと共に後輩へバトンを渡した瞬間のお話でした。
最後までお読み頂きありがとうございました。